駅からほど近い大きな通りに面したそのお店は、赤を基调としたセンスの良さを感じさせる可爱らしい店构えで、中に入ると、定番のパンからアイディアあふれるお惣菜パンまで种类豊富なパンが所狭しと并べられ、良い香りが漂います。その一角に、バラエティに富んだスイーツのコーナーはあります。
店主の岛田さんは长年ビゴの店で修业し、2010年にこのお店をオープンしました。目指しているのは、地元に根づいたパン屋さん。添加物を一切使わず、厳选したフレッシュな素材で、毎日おいしいパンとスイーツを作り続けています。一番のこだわりは、「基本に忠実であること」。修业时代に学んだレシピに忠実に、丁寧に作ることを何より大切にしながら、お客様からの要望に応えられるよう、オリジナルレシピを考案しています。
お店に并べるスイーツは、製造作业をほとんど一人でこなしているため、「手に入る材料で、空いた时间に作れるもの」という言叶の通り、驯染みのある材料で作られたシンプルなものばかりですが、そのおいしさからは丁寧な仕事ぶりをうかがうことができ、それぞれに込められた店主の爱情が感じられます。焼き加减や、ナッツ等具材とのバランスも絶妙。いずれのスイーツも优しい甘さで、小麦粉やバターといった素材のおいしさがストレート伝わってきます。
「パン屋さんのお菓子なので、包装はせず、焼き立てをそのまま店头に出し、おいしいうちに召し上がっていただけるよう、その日の分だけ焼くようにしています」。それが店主のスタイルです。
お店の一番人気の『スコーン』は、プレーンと季节の味とで常时2、3种类が店头に并びます。ビゴの店にあるのはプレーンだけで、定期的に変わる季节の味は店主のオリジナルです。スコーンは、クロテッドクリームやジャムをつけて食べるのが一般的ですが、そのままでも満足できるよう生クリームやバターを少し多めに配合。サクッとした食感と同时に、豊かな风味と生地のふんわりとした甘さが感じられます。
バニラの风味が香るプレーンに対し、取材时の季节の味「クランベリーとグラノーラ」は、クランベリーの甘酸っぱさとグラノーラの风味がよく合い、おいしい红茶と味わいたくなる一品でした。オーソドックスなおいしさを得意としているこちらのお店ですが、游び心あるメニューも时々登场し、かつて「かりんとう」を入れたこともあるのだとか。その柔软な発想に惊かされますが、味も良く、とても好评だったそうです。
また、材料について寻ねたところ、「スーパーカメリア」と「バイオレット」を1対1で使用していると、小麦粉の配合まで教えてくださいました。というのも、こちらのお店では材料の贩売もしており、日に5、6人のお客様が买いに来られるのですが、パンやお菓子作りの相谈にものっているのだそう。そんなお话からも、地域の方に爱され、地域に根づいている様子が伝わってきます。
もう一つ忘れてはならない人気のスイーツに『アップルパイ』があります。『クロワッサン』が人気のお店だけあり、そのサクサクの生地にはファンも多く、これを目当てに来店する方も多い看板商品です。バターで炒めて煮上げた蜜りんごを、イーストを使わず叁つ折りを5回繰り返したパイ生地で包み、时间をかけてしっかり焼き上げます。工程一つひとつを丁寧に行うことで、香り豊かなサクサクのアップルパイに。食べた瞬间、バターの香りとりんごの程よい甘さがふわっと広がり、その味わいは絶品。少し大きめに感じるサイズですが、一人で軽く食べられます。
毎日「基本に忠実であること」を心がけ、丁寧に仕事をする店主の姿に、物作りの原点を感じました。地域の方とのふれあいを大切にする人柄が、お店全体の明るく穏やかな雰囲気を作っているのでしょう。それは、优しい甘さのスイーツにも表れています。次回は何を买おうか、そんな気持ちにさせてくれる素敌なお店です。
パンコーディネーター、栄养士、パン教室翱谤补苍驳别主宰。カフェ巡りが趣味で、表参道でパンとパンをおいしく食べるための料理讲座を开催しています。
※掲载されている内容は2017年3月22日现在の情报です。
