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2023.10.06 Fri

骨寿命が健康のカギ ①(全2回)

「骨代谢」を高めて、全身を健やかに!

普段の生活の中で骨のことを意识する机会は少ないかもしれません。けれども、骨は体を支えるだけでなく、体内のさまざまな器官と连携して健康を担うとても重要なパーツです。丈夫な骨をキープして元気にいきいきと过ごせるよう、骨の健康について考えてみませんか。

普段の生活の中で骨のことを意识する机会は少ないかもしれません。けれども、骨は体を支えるだけでなく、体内のさまざまな器官と连携して健康を担うとても重要なパーツです。丈夫な骨をキープして元気にいきいきと过ごせるよう、骨の健康について考えてみませんか。

骨も「骨代谢」で新しく生まれ変わっている

私たちの体には200个以上の骨が存在しています。それらが3~5年(高齢になると10年)の间にそっくり生まれ変わることをご存じですか?皮肤がターンオーバーをするように、実は骨でも絶えず新陈代谢が行われています。

古くなった骨は、「破骨细胞(はこつさいぼう)」という细胞によって壊され、その部分に「骨芽细胞(こつがさいぼう)」が付着。「骨芽细胞」は、血液中のたんぱく质やカルシウムを利用して、新しい骨をつくります。これを「骨代谢(こつたいしゃ)」といいます。骨代谢によって、骨は毎日少しずつつくり替えられているのです。

健康パワーに期待!骨ホルモン「オステオカルシン」

骨に関する研究は、近年、飞跃的に発展していますが、とりわけ関心を集めているのが、骨代谢の际に骨芽细胞から分泌される骨ホルモン「オステオカルシン」です。オステオカルシンは、骨をつくる材料の1つであると同时に、最近では、生活习惯病との関连をはじめ、认知?记忆机能の改善や心筋梗塞の予防、筋力の向上、生殖能力を高めるなど、さまざまな分野で研究が进んでおり、その健康パワーに大きな期待が寄せられています。

中でも注目すべきは、糖尿病のリスク低减です。オステオカルシンには血糖値を一定范囲内に保つホルモンである「インスリン」の分泌を促す働きがあります。そのため、骨代谢を上げ、オステオカルシンの分泌を増やすと血糖値が安定し、结果的に糖尿病のリスク低减につながるといわれています。

また、オステオカルシンには脳の活性化やアルツハイマー型认知症とも関係している可能性が考えられています。アルツハイマー型认知症は女性に多い病気で、女性患者数は男性患者数の约2.5倍。その原因の1つに、骨量の少なさがあるといわれています。女性は比较的骨格が小さいうえに、妊娠や授乳期などカルシウムを大量に必要とする时期があったり、闭経后に骨の形成を促す女性ホルモンが减少したりするためです。つまり、骨代谢を活発にしてオステオカルシンの分泌量を落とさなければ、女性特有の体の変化に起因する认知症リスクにおいては、低减できる可能性があるということです。

骨代谢が落ちると、どんなサインが出る?

とはいえ、そもそも自分の骨代谢が落ちているかどうかはわかりにくいもの。そこで、目安になるチェックポイントをご绍介します。次の「チェックリスト」で1つでもチェックがついたら要注意です。

骨の衰えチェックリスト

背丈が缩んだような気がする

背中や腰が曲がってきた

背中や腰に痛みがあり、动作がぎこちない

息切れしやすい

歩くのがおっくうになってきた

外出がつらく、家にいることが増えた

※チェック项目はあくまで骨が衰えたときに现れる倾向を示したものです。チェックが入ったからといって、必ずしも骨代谢が落ちているということではありません。

骨代谢の低下は骨の衰えに直结して、日常生活にさまざまな影响が及びます。例えば、动くことがおっくうになって日々の活动量が大きくダウンし、体力や筋力の低下を招きます。また、あごの骨が弱くなることで噛む力が衰え、食べることに不便が生じれば栄养不足につながることも。さらに、猫背になったり、颜のシワやたるみが目立つといった见た目の问题とも无関係ではありません。

骨の衰えをそのまま放置し骨粗しょう症に进行すると、ちょっとしたことで骨折しやすくなるなど、将来的に介护のリスクが上昇します。男性に比べて骨量が少ない女性は骨粗しょう症になりやすく、特に注意が必要です。「まだ若いから大丈夫」と油断せず、早いうちから骨代谢を上げる生活を心がけていきましょう。

适度な刺激で、骨代谢アップ!

骨代谢を上げるための重要なポイント、それは骨への适度な刺激です。骨芽细胞は、刺激を受けることで活性化されます。运动などで骨に重力や圧力がかかると、骨芽細胞から指令が出て骨代謝が活発に。丈夫な骨づくりが進むとともに、オステオカルシンの分泌量も増加します。逆に、体を动かさなくなると、骨代谢が落ちてオステオカルシンの分泌量もグッと减少することに。骨折や认知症リスクにつながる可能性があります。

骨を刺激するには、適度な运动が効果的です。といっても、ハードなトレーニングではなく、日常生活の中でできる簡単な运动で十分。次回は、具体的な骨のトレーニング「骨トレ」と、その効果を高める食事についてご紹介します。

このシリーズ(全2回)の他の记事を読む

②骨を强化する「骨トレ」で、健康な骨を目指す!

  • <参考文献?书籍>
  • ?溝上顕子, 川久保(安河内)友世, 竹内弘, 平田雅人. オステオカルシンとインスリン分泌. 日本薬理学雑誌145, 2015, p.201-205.
  • ?藤泽孝志郎. 世界一効率よく若返る!1日5秒骨トレーニング!. ビジネス社, 2018.

<监修>

藤泽孝志郎

顿谤.孝志郎のクリニック院长/闯厂滨惭认定総合内科専门医