パンラボ池田浩明が毎回ゲストをお迎えし、お気に入りのパンを“もぐもぐ”しながら、パンについて语る座谈会。
第2回目は、ファッション界きってのパン愛好家である山野ゆりさんが登場!! 定期的にパリへ渡りパンキャンプを張るほどのマニアっぷり。パンをむしゃむしゃ食べたい! でもいつもかわいくありたい! そんな女心を語るのに、この人ほどうってつけな人はいないでしょう!!
モデルとして雑誌や広告、颁惭等幅広く活跃。音楽番组のレギュラー惭颁や様々なファッションブランドとのコラボレーションなども。现在、オズマガジンにて「惭驰推しパン」を连载中。毎回选りすぐったオススメのパンを绍介している。モデルという职业を活かし、太らないパンとのつき合い方も考案中。年に数回は必ず海外や全国のパン屋さんを廻るパン旅を决行。それぞれの土地によって颜を変えるパンを写真に収めてオリジナルのパンノートを製作。世界中のありとあらゆるパン屋さんへ行くのが梦。
秋にいちばん食べたいパン
池田浩明
パンを食べながら话ましょう。山野さん、秋だけにぜんぶ栗をテーマに3つのパンを买ってきてくれたんですね。
山野さん
一番好きなこれ食べたいです。
池田浩明
このピンク色の栗のパン、アレでしょ?
山野さん
はい、もうアレです。
池田浩明
このふんだんな栗はアレでしょう。
山野さん
はいカシスのいい色はさすがアレです…「ブーランジェリー パティスリー トレトゥール アダチ」のカシスマロンです。
池田浩明
やっぱり!
山野さん
私一回しか行ったことないんですが、どれもめっちゃめちゃおいしくてびっくりしたんですよ。なかなか行けないので、池田さんに食べさせたいというより、自分が食べたくて。
池田浩明
自分のためかい!(笑)
アダチさんはお店もおしゃれですよね。
山野さん
めちゃめちゃパリですよね。横浜のあそこだけ。お惣菜やケーキも売っているパリスタイルですよね。
一目惚れするカルダモンロール
山野さん
池田さんのパンも食べてみましょう。これ食べてみたい。
池田浩明
できたばっかりの店で、「痴础狈贰搁」(ヴァーネル)。フグレンコーヒーがやってるお店。ノルウェーで修行した人が作ってます。
山野さん
おしゃれ!
池田浩明
はい、下町の古民家で、ロールを巻き巻きしている。
山野さん
いただきます!
池田浩明
あー北欧の香り。
山野さん
わー! お菓子みたい。すっごく香りが広がりますね。
池田浩明
カルダモン祭りですね。コーヒー饮みたくなりますね。フグレンでも出しているそうなので、コーヒーといっしょに楽しめますよ。
山野さん
形がすごくかわいいですね! 编み込んで编み込んで。「パンは一点もののアートだ」って池田さん前におっしゃってて。「私がパンに対して思ってたのはそれだ!」ってすごく思ったんです。目でも楽しいし、食べてもおいしい。このシナモンロールまさにそうですね! 置いてあるだけでフォトジェニック。
池田浩明
洋服のことが好きな人って、洋服や雑货を见たときにかわいいとテンション上がったりしますけど、そういうのとかわいいパンを见たとき思う感情は似てますか?
山野さん
似てます似てます。いまこの子(シナモンロール)に一目惚れしてビビっときました。そういうので思わず手にとって买うことはよくありますし。お洋服を买うときといっしょですね。
唐突に本题へ(着地点不明)
池田浩明
今日の议题は「パン食系女子のおしゃれ道」というんですけど。
山野さん
なんですかそれ?
池田浩明
势いだけなんで、僕もわからないんですけど(笑)。山野さんは、ファッションにすごく関心があってモデルになられたんですよね。
山野さん
はい、私はすごくお洋服が好きで、元々はバイヤーになりたかったんです。フランスとかイタリアとかに行ってファッションのお仕事をしたくて。モデルとして撮影に参加すれば、お洋服を着られるし、スタイリストさんとかファッションの世界の人たちに近づけるかもと思ってはじめたんです。
池田浩明
きっかけはオーディションかなんかで?
山野さん
スカウトでした。15歳のとき、街を歩いていて。
池田浩明
やっぱり美貌を世间がほっとかないんですね(笑)。ファッションが好きな方ってイメージする力がありますよね。
山野さん
私よく思うのは、パンの好きな方たちって、ボーダーを着てるイメージなんです。気负わず、カジュアルでナチュラルな感じで素敌な方が多いなって。
池田浩明
そういえば、俺も着る!(笑)
バゲット买うときはトレンチコートで!
池田浩明
山野さんは、クロワッサンを食べるときはこんな格好したい、とか考えますか?
山野さん
そう! 私、それテーマにしてて、そういうのすごく考えるんです! クロワッサンを买いにいくときはベレー帽かぶろうとか。
池田浩明
お、今日はまさにクロワッサンの格好(笑)。秋にパンを食べるスタイルなんですね。
山野さん
バゲットだったら、トレンチコートを羽织ってバゲットを持ってたらめっちゃかっこいいなって思うし。
池田浩明
たしかに、寅さん(映画『男はつらいよ』)で岸恵子がマドンナの回があるんですけど、パン好きの设定なんです。下町のパン屋に行くんだけど、駄菓子屋みたいなところになぜかバゲットを売っていて、そのときはトレンチコートを着ている。袋からちょっとバゲットの先をだして抱えて歩いている。
山野さん
やっぱりバゲットの先を出したいんですよね! いっしょですね。みんなに共通するイメージなんですかね。
池田浩明
それが楽しいんですね。みんなで共有できるという。
山野さん
こんなふうに、ファッションとパンがもっと仲良くなれるなにか见つけたいんです!
池田浩明
それすごくおもしろい! 雑誌の特集にもなりそうですね。
山野さん
今年はチェックが流行ってますよね。チェックとパンってすごく相性がいいと思うんです。チェックを使ったコーディネートで、パンを食べるカットを撮るとかできそうだな。あと手元の俯瞰のカットでジュエリーや时计や指轮を见せたり、食品なので清洁感は大事だと思うんですけど、口元のカットであえて真っ赤なリップでパンを食べたり。
池田浩明
すごくかわいいですね!
山野さん
今日はあえて浓い色のネイルをしてきたんですけど、パンを持つ手元で游ぶというか。
池田浩明
细かいことにもおしゃれな意识を働かせると、どんどんおもしろくなってきますね!
焼きそばパンを食べるのにうってつけの服は?
池田浩明
じゃあ、僕がシチュエーションを言うので、それに対する理想のコーデを教えてください。フランスの映画とかだと、旦那さんがベッドまで朝食を持ってきてくれるんですよ。トレイにのせて、バゲットを切ったのと、カフェオレボウルに入れたカフェオレと、コンフィチュールですよ。コンフィチュールにはバターナイフが刺さっている。
山野さん
はい、わかりました。ペイズリーっぽいシルクのガウンみたいなのを着たいんですよ。中はコットンで、襟元がレースで、下はパンツで淡いベージュみたいな感じの楽な部屋着…かわいいです(笑)。こういうのだったらすぐ出ます。
池田浩明
じゃあ、次、いきますよ。昼は…僕が浮かんだのは、セーヌ川か、隅田川で、ベンチに座ってクロワッサンを食べるときの格好。
山野さん
それ、隅田川ですか? セーヌ川ですか? それによってぜんぜんちがいます(笑)。
池田浩明
じゃあ、2パターン行きましょう。えーと、隅田川は…。人生最后のときに食べたいパンを言ってください。
山野さん
焼きそばパンを食べたい。
池田浩明
スーパーモデルも焼きそばパン食べるんですか?(笑)
山野さん
やめてくださいよ!(笑) 最后だからパンも麺も食べたいと思って、焼きそばパンに决めてるんです(笑)。
池田浩明
じゃあ、隅田川で食べるのは焼きそばパンにしましょう。
山野さん
隅田川で焼きそばパンを食べるんだったら、カジュアルなほうがいいです。こういうローゲージのさっくりしたニットに、ニット帽をかぶって、デニムでかなり折り返して、レザーの靴で食べたい。
池田浩明
セーヌ川のクロワッサンは?
山野さん
そんなに凝らずに、あえてさらっとしたいんですよね。古着の柄もののワンピースとか、いまの季节ならトレンチとかでもいいですし。やっぱりベレー帽をかぶりたい。それにショートブーツがいいです。セーヌ川と隅田川はやっぱりイメージがちがうんですよね、したい格好も。食べたいものもちがうし。
パンコーデのイメージはどこまでも広がる!
池田浩明
あと晩御饭。友达の家でパーティ。锅パーティじゃなく、カナッペとワインが出てくる感じ。
山野さん
パーティの出席者は、気のおけない友人ですか? あんまり知らない人ですか?
池田浩明
どっちが言いたいですか?(笑)
山野さん
言いたいのは知らない人とのパーティ(笑)。
池田浩明
じゃあ、それでお愿いします。
山野さん
チェックのセットアップを着てパーティに行きたいです。チェックだと、パンを持つ手元とかかわいくないですか?
池田浩明
すごいですね! なかなかそんなにすらすら出る人はいないですよ。今度、gochisou さんというテキスタイルデザイナーさんと私、そして山野さん、BEAVER BREAD の割田さんとグッズを作ろうというのをやるんですけど、そこでもいかんなくその才能を発揮していただいています(笑)。
山野さん
ランチバッグはビニールを使っていて、中にパンを入れると、ビニール越しにちらっとパンが见えてすごくかわいいんです。そんなふうに、パンとファッションが融合していくと、すごく楽しい世界になっていきますね。
池田浩明
ファッションとパンって、絶対通じますよね! ファッションとパンがもっと仲良くなれるなにか见つけたいんです。
山野さん
ぜひ、この「パン食系女子」で企画を実现しましょう!
gochisou × パンラボ × 山野ゆり × BEAVER BREAD collaboration exhibition
2018/11/16 ~ 18 11:00~20:00 THE A.I.R BUILDING(ザ エアー ビルディング)
BEAVER BREADのパンをモチーフに、食をテーマにデザインする「gochisou」が描いたテキスタイルをこの秋、発表。日本橋のTHE A.I.R BUILDING(ジ エアー ビルディング)で展示会を行います。
11/16 18:00~ オープニングレセプション
BEAVER BREAD による「BEAVER BAR」限定 open! パンや飲み物の販売があります。どなたでも参加できます。
11/17 15:00~(約60分) トークイベント
gochisou 坂本あこ × モデル 山野ゆり × BEAVER BREAD 割田健一 × パンラボ 池田浩明
パンの魅力、コラボレーションについてお话しします。
THE A.I.R BUILDING(ザ エアー ビルディング) 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町 3-2-8
東京メトロ 半蔵門線?三越前駅 徒歩3分
パンラボ主宰、ブレッドギーク(パンおたく)。东においしいパン屋があると闻けば行ってパンを食べ、西にすごいパン职人がいると闻けばその声に耳を倾け、南に伟大な小麦农家ありと闻けば、土を掘り返し、小麦をむしゃむしゃ頬张る。
著書に『サッカロマイセスセレビシエ』『食パンをもっとおいしくする99の魔法』『空想サンドウィッチュリー』『パンの漫画2 さすらいのクロックムッシュ氏編』(以上、すべてガイドワークス刊)、『パンソロジー』(平凡社)、編著に『パンの雑誌』(ガイドワークス刊)、『おかしなパン』(誠文堂新光社)、『日本全国 このパンがすごい!』(朝日新聞出版)。