
専門医が教える!健康に役立つ「お風呂の入り方」 ④(全5回)
\レッツ!温活/キレイを育てる入浴法

「スキンケアやダイエットに励んでいるのに、なかなか効果が感じられない」。そんな方は、一度日々の入浴法を见直したほうがいいかもしれません。今回は、血行を良くしてビューティーアップに役立つお风吕の入り方をご绍介。入浴は毎日の暮らしに欠かせないもの。どうせなら、美しさに磨きをかける入浴法、はじめてみませんか?

「スキンケアやダイエットに励んでいるのに、なかなか効果が感じられない」。そんな方は、一度日々の入浴法を见直したほうがいいかもしれません。今回は、血行を良くしてビューティーアップに役立つお风吕の入り方をご绍介。入浴は毎日の暮らしに欠かせないもの。どうせなら、美しさに磨きをかける入浴法、はじめてみませんか?
「温冷交代浴」でお疲れ颜にサヨナラ!
透明感ある幸せ肌に
疲れが取れず、肌がくすみがち、体が冷えて颜色が悪い、これではどんなに良いスキンケアアイテムを使っても、なかなか美肌には结びつきません。美しいイキイキとした印象のためには、疲労や体の冷えを取るのがなによりの近道です。そこでおすすめなのが、「温冷交代浴」です。
お汤と15℃以下の冷水に交互につかる入浴法で、古くはヨーロッパの温泉疗法の1つとして活用されてきました。その疲労回復効果はアスリートも実践しているほどで、自律神経の乱れを整えて、より深いリラクゼーション効果をもたらすことがわかっています1)。
とはいえアスリートではない一般の方にとって、冷水で行うのは体への负荷が强すぎるので、日々の入浴で取り入れやすい「温冷交代浴」をご绍介します。
続けることで血流が改善し、末梢血管まで血液が循环。むくみも改善してくれます1)。疲れが取れて血流が改善すれば、肌のくすみも取れて透明感もアップ!しつこい疲れは入浴でケアして、血色の良いバラ色の幸せ肌をめざしましょう。
自宅でできる! 温冷交代浴の方法 1)
1. 〈温浴〉かけ湯(もしくはシャワー)をしてから、40℃のお湯に3分間、肩までつかります。
2. 〈冷浴〉湯船から出て、30℃程度のぬるま湯を、手先と足先にシャワーで30秒ほどかけます。
3. 1~2を3回繰り返し、最後はお湯につかってからお風呂を出ます。

「30℃のシャワーが冷浴?」と思うでしょうが、この10℃の违いでも十分刺激になります。むしろ水风吕に全身をつけるような强い寒冷刺激は、体に负担がかかりすぎて危険です。手足の先にかけるだけで効果があります。
※温冷交代浴は血管を収缩させる、つまり血圧が上昇する入浴法です。高齢の方や血圧の高い方、狭心症や不整脉などの心疾患のある方、脳卒中の経験がある方は控えてください。
入浴=美肌とは限らない!
正しく知ってお风吕美人に
疲れを取り体の冷えを取る「温冷交代浴」は、お疲れ肌の强い味方ですが、疲れや体の冷えが和らいできたら、1回目でお伝えした医学的に正しいお风吕の入り方を続けましょう。入浴の温热作用や静水圧作用で血流がアップすることで、全身に十分な栄养素や酸素が行き渡り、新陈代谢も良くなるため、肌を正常なターンオーバーへと导いてくれます。血流が増えれば、ビタミン颁が全身の肌の细胞に働きかけるため、シミやくすみなどの原因であるメラニン色素の生产を抑える効果も期待できます。さらに、血流によって肌の内侧から水分を届けられるので、肌の润いもアップします2)。
しかし、入浴が美肌に働きかけるのは「内侧からのケア」としてです。肌のためにと长时间汤船につかったり、何度もお风吕に入ったりするのは狈骋。お汤につかると肌が润っているように感じますが、それは一时的なもの。お风吕上がりは水分が逃げやすく、场合によっては入浴前より水分が失われるという研究报告もあります。肌に润いをもたらす皮脂やセラミドまで失ってしまい、逆に乾燥を助长してしまう危険があります2)。入浴で血流をアップさせつつ、肌の润いは逃してしまわないよう、以下の6か条を守りましょう。
お风吕美人を作る入浴スキンケア6か条 3)
① 42℃以上のお湯に入らない。
② 湯上がり後のスキンケアは10分以内に。
③ 15分以上長風呂しない&1日に何度もお風呂に入らない。
④ 洗顔料やボディーソープは使い過ぎない。※合成界面活性剤不使用のものがおすすめ
⑤ タオルやスポンジなどでゴシゴシ洗わない。※泡でなでる程度でOK
⑥ 血流アップのためにはシャワーや半身浴より全身浴で。

入浴の汗はダイエットと无関係!?
健康的に痩せるための入浴法とは?
ダイエットしよう、痩せようと、サウナや热いお风吕につかってたくさんの汗をかこうとしたことはありませんか?しかし残念ながら、お风吕でかく汗では、痩せる効果は期待できません。そもそも健康的に痩せるというのは、体についた过剰な体脂肪が减ることです。お风吕に入る前と出た后の体重を量っても、减っているのは水分であり、脂肪ではありません。
しかしながらお风吕は、入浴の仕方によっては、健康的に痩せたい方の心强い味方になってくれることもわかっています。そこで目的别に、ダイエットにアプローチする入浴法をご绍介します。

しかしながらお风吕は、入浴の仕方によっては、健康的に痩せたい方の心强い味方になってくれることもわかっています。そこで目的别に、ダイエットにアプローチする入浴法をご绍介します。
●食欲を抑えたいなら...
- 食事の前に40℃のお汤に15分入る 4)
- 入浴によって体の表面に血液が回るため、一时的に胃や肠の働きが抑制され、食欲を抑えられます。
●体に脂肪をつきにくくしたいなら...
- 食后30分以降の、一番血糖値が上がるタイミングで入浴する 5)
- 入浴によって代谢が上がるため、食后に入ることで血糖値の急上昇を抑えることができます。それと同时に、血中の糖分を脂肪に変えてしまうインスリンの分泌も抑えられるため、脂肪がつきにくくなります。ただし、食后すぐの入浴は、胃が持ち上がって心臓を圧迫するため、必ず食后30分たってから汤船につかるようにしましょう。胃肠の弱い方や高齢者の方は特に注意が必要です。
入浴で体に脂肪がつきにくくなる仕组み

この仕组みを生かして入浴すれば、脂肪が必要以上にため込まれることはない(脂肪がつきにくくなる)といえます。
●消费カロリーをアップしたいなら...
- 30℃のお湯の中で足の曲げ伸ばし运动 4)
- 寒さが気にならない季節なら、ぬるいお湯での水中运动をしてみましょう。汤温が体温より低いとぬるいお汤に体温を夺われるため、エネルギーを燃やして体温を上げようと、体がカロリー消费モードにオン。そこに足を曲げ伸ばすなどの运动を加えることで、さらなるカロリー消費が期待できます。运动後は体を冷やさないように追い炊きし、体を温めてから出るようにしましょう。

膝を曲げ伸ばしたり、両足を付け根から动かしてクロスさせたりと、筋肉量の多い足を动かすのがカロリー消费量アップのコツ。
このシリーズ(全5回)の他の记事を読む
- 1)早坂信哉. 最高の入浴法. 大和書房, 2018, p.85-88.
- 2)早坂信哉, 古谷暢基. 入浴検定公式テキスト. 日本入浴協会, 2017, p.108-115.
- 3)早坂信哉. 最高の入浴法. 大和書房, 2018, p.184-194.
- 4)早坂信哉. たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法. KADOKAWA, 2014, p.44-45.
- 5)早坂信哉, 古谷暢基. 入浴検定公式テキスト. 日本入浴協会, 2017, p.130-143.
<监修>
早坂信哉
东京都市大学人间科学部教授/医师 博士(医学)/温泉疗法専门医