「なんとなく不調」を整える自律神経のお話 ②(全5回)
季节の変わり目はなぜ体调を崩しがち?気候と自律神経の密接な関係
雨が降ると头が重くなったり、季节の変わり目に体调を崩したり、场合によっては持病が悪化してしまう方も。以前は「天気のせい」「年齢のせい」と考えられてきたこうした症状に、近年、自律神経が関係していることがわかってきました。
雨が降ると头が重くなったり、季节の変わり目に体调を崩したり、场合によっては持病が悪化してしまう方も。以前は「天気のせい」「年齢のせい」と考えられてきたこうした症状に、近年、自律神経が関係していることがわかってきました。
空がどんより=元気が出ない...それ、「気象病」かも?!
「天気が悪いと体调が悪くなるなんて大げさ、気のせいでは?」と思われるかもしれませんが、実际に悩んでいる方は大势います。天気の変化によって心身に不调をきたすことを「気象病」といい、近年、研究も进んでおり、特に女性に多く见られる倾向があるようです。
気象病は、気圧?気温?湿度などの変化によって自律神経が乱れることで発症すると考えられています。中でも気圧の影响が大きく、高気圧から低気圧へと変化する际に症状が出やすいそうです。
低気圧が近づく、つまり雨が降りそうだとわかると、気圧を感じるセンサー「内耳(耳の奥にある叁半规管など体のバランスを保つ気管が集中する部分)」が察知し、脳に「大変だ!」と知らせます。内耳から报告を受けた脳は、体を安定させるために指令を出し、自律神経が体の各部分にその内容を伝えるのですが、その际、普段から自律神経が乱れがちだと混乱が生じ、痛みを感じる神経が刺激されたり、血管の収缩?拡张で周囲の神経が刺激されたりして、痛みやつらい症状が出ると考えられています。
急激に気圧が低下するゲリラ豪雨や台风が近づいている际に、特に片头痛が起こりやすくなるのはこうした「内耳」の働きが関係しているのかもしれません。また、内耳のセンサーが过敏になると、少しの気圧の変化でも察知してしまうことがあります。昔から「古伤が痛むと雨が降る」などといいますが、気のせいとして済ませず、科学的な原因を疑ってみてもよいのではないでしょうか。
ではなぜ、冒头に触れたように「気象病」と呼ばれる症状が女性に出やすいかというと、もともと生理周期の影响で自律神経が乱れやすくなっているところに、天候の影响を受けるためと考えられています。また、男女问わず、40歳を过ぎると副交感神経の机能が低下することも原因の1つ。「年齢のせい」とひとことで片付けられがちな慢性痛の悪化には、こうした背景があるようです。
自律神経を上手に操作!深い呼吸でリラックス
现代人は一般的に交感神経が优位で、呼吸が浅い倾向にあるといわれています。交感神経が活発、つまりアクセル全开で疲れた、休みたいと思ったときは、ブレーキの役割をする副交感神経のスイッチをオンにすることが大切。ゆっくりと深く呼吸することは、紧张を和らげて副交感神経の働きを正常に导いてくれます。以下でご绍介するストレッチをすると、肺を囲む肋骨まわりの筋肉や横隔膜の伸缩がスムーズとなることで、肺を大きく膨らませられるようになり、深い呼吸が自然にできるようになります。
雨の日は早起きがおすすめ!その理由とは?
朝は本来、リラックスした副交感神経が优位な状态からアクティブな交感神経が働きはじめるように、上手にギアチェンジすることが大切。しかしながら雨の日は気圧が下がっているため、交感神経の働きが上がらず、副交感神経が优位なまま1日がスタートしてしまうことも...。気象病とまではいかないものの、雨の日にだるさを感じるのはそうしたことが原因といえそうです。雨の日の朝は少し早起きして、一品多めに朝食を作ったり、軽いストレッチをしたり、扫除をしたりするなどしてはいかがでしょうか。晴れの日より活発に动くことで、自律神経の切り替えをスムーズにしてくれます。血行が良くなるので、だるさの軽减にもなるでしょう。
春夏秋冬、季节ごとの自律神経の働きを知ろう
自律神経に影响を及ぼす天気。1年を通じて见た场合、季节の変化も自律神経が乱れる原因になっています。「季节の変わり目」に変调をきたすのは、自律神経が変化に追いつけず、心身が不安定になるからです。春夏秋冬、季节によって异なる自律神経の倾向を知ることは、来るかもしれない不调への対策にもなります。温暖化の影响で、夏に猛暑が続いたり、秋が短く、いきなり冬になったりと、気候そのものが変わりつつある现代。今まで以上に自律神経に注目する必要があるのかもしれません。
季节ごとの自律神経の倾向
<春>
暖かくなると副交感神経が活発化しますが、叁寒四温で低気圧と高気圧が交互にやってきて、気温も急変。自律神経が乱れがちになります。
<夏>
天気の変化が少ない季节で、その点では自律神経が安定しやすいといえます。ただ発汗による体温调节や心拍コントロールで自律神経は大忙し。紫外线は交感神経を刺激します。近年はゲリラ豪雨も频発し気圧の急変も。
<秋>
寒くなるにつれて交感神経が优位になってきます。秋雨や台风による気圧の変化、朝夕の寒暖差で自律神経がめまぐるしく変わります。
<冬>
寒さが进んで、ますます交感神経が优位になります。冻てつく空気に体もこわばりがちで、リラックスしにくい状态です。
このシリーズ(全5回)の他の记事を読む
- <参考书籍>
- ?小林弘幸(講師). NHK趣味どきっ!カラダが変わる!自律神経セルフケア術. NHK出版, 2019.
- ?小林弘幸監修. 名医が教える!自律神経を整えてカラダの不調を治す本. 宝島社, 2020.
- ?小林弘幸. 自律神経を整える「長生き呼吸法」. アスコム, 2020.
- ?小林弘幸. 自律神経の名医が教える ココロとカラダの疲れとり大全. SBクリエイティブ, 2021.
<监修>
小林弘幸
顺天堂大学医学部教授/日本スポーツ协会公认スポーツドクター