TikTok成人版

中部 中部

中部

ほうとう 山梨

ほうとう
写真提供:山梨県観光物产连盟

うどんよりも幅広の手打ち麺として有名な、甲州の「ほうとう」。武田信玄が野戦食として用いたとされることから、「信玄ほうとう」と呼ばれることもあります。
ほうとうが通常のうどんと大きく异なるのは、打つときに塩を使わない点と、麺はを生のまま直接锅に入れて煮込む点です。打つときに塩を加えないと、グルテンの形成がゆるやかになり、もちもちした食感になります。更に、煮込むことで麺のでんぷんが溶け出して、汁にもとろみがついてきます。
「うまいもんだよ、かぼちゃのほうとう」という言叶は、物事がうまく运んだときに口にする、甲州ならではの合いの手のようなものですが、その言叶のとおり、ほうとうの具で人気が高いのはかぼちゃです。とろっとした少し塩気のあるみそ仕立ての汁に、箸をつければほろっとくずれるかぼちゃの甘味。具材の旨味をたっぷり吸い込んだもっちり麺をすすったら、复雑な味わいが口中に広がります。
具材は、鶏肉、豚肉、鱼介类、さといも、じゃがいも、さつまいも、白菜、いんげん、油扬げなど…「カレーほうとう」や「バターほうとう」なども人気のようです。

吉田のうどん 富士吉田

吉田のうどん
写真提供:富士吉田市富士山课

山梨県の南东部、富士山の北麓に位置する富士吉田市の名物に、多くのうどんファンをうならせる「吉田のうどん」があります。
吉田のうどんの特徴といえば、まずは麺。太く角张った麺は、かなり固め。初めて食べる人は、その歯ごたえに惊くことも少なくないとか。しかし、富士山麓の涌水で仕込んだ手打ち麺は、かめばかむほどに小麦粉の旨味が口中に広がってきます。
かつおだしをベースに、しょうゆかみそ、あるいはしょうゆとみその両方を使用した风味豊かなつゆ。具の定番は、ねぎや油扬げのほかに、ゆでたキャベツ。肉うどんの场合は、味付けをした马肉を使用するのもユニークな点です。また、「すりだね」と呼ばれる、山椒や唐辛子、ごまなどを练った薬味が人気です。かなり辛いので、入れすぎには注意が必要です。

おやき 长野

おやき
写真提供:长野県東京観光情報センター

信州の郷土料理と言えば「おやき」。小麦粉に水を加えて练った生地に、地元の野菜など、思い思いの馅をたっぷり包んで、焼いたり蒸したりしたものです。生地にはそば粉を混ぜることもあり、山间部が多く寒冷なため米の収穫量が少なかった信州ならではの、小麦粉やそば粉を使った粉料理です。
昔は囲炉里端の灰の中に埋めて、こんがりと焼きあげ、食べない分は端に置いておいて、小腹がすいたら掘り起こして食べたりしたそうです。主食?副食?间食、そしてお盆などの行事でも食べられます。信州で売られているおやきの馅は、定番の野沢菜や切干大根のほかに、かぼちゃ、なす、おから、あずきあん、キムチ、えびやほたてのような鱼介类、特产物のりんご、チーズなど、バリエーションも豊富です。野菜馅は炒めて包むことが多く、ごまみそなどの味付けはなかなか野趣あふれるもの。できたてのカリッとした食感、香ばしさ、そして馅のふっくら感がおやきの持ち味。お土产など冷たいものは、食べる前にレンジにかけるかオーブンで軽く焼いて、アツアツをいただきましょう。

にらせんべい 长野

にらせんべい

长野市や松本市は、世帯当たりの小麦粉の消費量が多い都市として知られています。考えてみると「おやき」や「ほうとう」など、信州には小麦粉を使用した郷土料理が豊富です。「にらせんべい」もその一つ。かつては農繁期の休憩時や、子どものおやつなどとしてよく食べられました。「にらせんべい」の作り方は、水で溶いた小麦粉に刻んだにらをどっさり混ぜ込んでフライパンで薄く焼くだけ。せんべいというよりは、お好み焼きや韓国のチヂミに近いです。生地に味付けをする場合と、焼きあげた後に味付けする場合、その両方の場合とがあります。味付けは家庭によって異なり、しょうゆやソースで食べることもありますが、みそ味や砂糖しょうゆなどで甘めに仕上げるのは信州ならでは。にらではなく、なすを具にした「なすせんべい」も人気です。

ローメン 伊那

ローメン

「ローメン」は、一度蒸して乾燥させた太い中华麺を戻して、マトンなどの肉や、キャベツなどの野菜とともに煮込んだものです。元々は昭和30年ごろ、ある中华料理店のご主人が「炒肉麺(チャーローメン)」として考案したもので、その后、ラーメン人気にあやかって「ローメン」と呼ぶようになったとか。蒸した乾麺を戻して煮るという独特の食べ方は、冷蔵库がなかった时代に麺を保存するための知恵から生まれたと言います。
ローメンは、しょうゆ味のスープが少し入るタイプや全く入らないタイプ、焼きそばのように炒めたタイプ(ソース味)に大别され、お店によって味付けや具も多种多様です。お好みで、唐辛子、すりおろしにんにく、酢、ごま油、ソースなどを加えて「自分流」の味でいただきます。

大门そうめん 富山

大门そうめん
大门そうめん
写真?资料提供:砺波市商工観光课

「大门(おおかど)そうめん」は、日本髪の「まるまげ」を结ったような独特の形をしています。この形状は、半乾きのそうめんを手でくるくると巻き、日焼けを防ぐ风通しの良い包装纸に包んで作る製法によるもので、「まるまげそうめん」と呼ばれることもあるそうです。丸いかたまりを半分に割ってゆでれば、ちょうど良い长さになります。
大门そうめんの歴史は古く、幕末の嘉永元年(1848年)、大門の中島次兵衛という人が能登におもむき、その製法を習得してきたのが始まりだそうです。当初は農家の冬季の副業として始まりましたが、次第に評判を呼び、全国にその名が知られるようになりました。庄川の流水を使い、鉢伏山(はちぶせやま)から吹き下ろす寒風でさらされた手延べ麺は、コシのある歯ざわりとなめらかなのどごしが楽しめると評判です。

富士宫焼きそば 富士宫

富士宫焼きそば

昭和の初めごろ、富士山への登山客が絶えず、浅間大社を中心に賑わいをみせていた静岡県富士宫市には、手頃な価格でお好み焼きを出してくれる「洋食屋」が数多くありました。戦後になって、中国で味わった麺類を再現し、この洋食屋で売り出したのが、「富士宫焼きそば」のルーツとされているようです。
富士宫市内のお店で提供される焼きそばが、普通の焼きそばと少し違う点に目を付けた市民有志が、町おこしの一環として「富士宫焼きそば学会」を結成。これがマスコミの注目を浴び、「富士宫焼きそば」の名が全国に広まっていくことになります。
その特徴は、まずはコシのある麺。通常の麺は、小麦粉を水でこねた麺を蒸した後、ゆでて作りますが、富士宫焼きそばは蒸した後、ゆでずに冷やし、麺の表面を油でコーティングします。元々は、冷蔵庫がなかった時代、水分を少なくして日持ちを良くしようという知恵だったそうですが、この製法が独特のコシを生み出すことになります。麺の固さの調整は、ラードで麺を炒めるとき、水加減をして行います。
具には「肉かす」と呼ばれる、ラードを绞った后の肉が加わり、かつお节ではなく、いわしなどの削り粉をふりかけるのも特徴的。水やキャベツ、トッピングに地元の食材を活用したりと、お店によってアレンジはさまざまです。

浜松饺子 浜松

浜松饺子
写真提供:浜松観光コンベンションビューロー

「浜松饺子」の特徴は、まずは見た目。大皿に円形に盛られ、その中央にゆでたもやしがのっかっている点ですが、これには理由があります。「浜松饺子」は戦後の屋台を発祥としますが、そのころは鉄板はなく、フライパンで餃子を焼いていました。丸く並べて焼いた餃子をそのままお皿に移したスタイルが今に継承されているのです。丸く並べると中央部がぽっかり空いてしまうため、ゆでたもやしをのせて見た目をとり繕ったのだそうです。このもやしが箸休めに最適で、浜松では自宅で餃子を作るときにももやしを欠かさない家庭が多いとか。
味の特徴は、多めのキャベツからじゅわっとにじみ出る甘味と、豚肉のコク。元々、浜松市はキャベツの产地で、また、养豚业もさかんだったので、こうした味が引き継がれているのです。ちなみに、宇都宫は白菜やにらが特产なので、それらを具にすることが多いようです。

きしめん 名古屋

きしめん

名古屋では、うどん屋にも、そば屋にも、だいたいメニューに「きしめん」が载っています。油扬げ、かまぼこ、ほうれんそう、そして花かつおがこんもりとのるきしめんは、かつお节ベースのだしがよくきいていて、平たい麺のなめらかな口当たりが特徴です。
この平たい麺には、ゆでる時間が短くて済む、だしがよく染み込むなどの利点がありますが、いつごろから存在するのかは定かではありません。関东では江戸時代から、きしめんのような平打ち麺を「ひもかわ(紐革)」と呼んでいたようで、これは「芋川」(現在の愛知県刈谷市)の名物うどんが転じたものだという説があります。また、「きしめん」の語源についてですが、雉(きじ)の肉を入れた「雉麺」がなまったとか、紀州藩が尾張藩に進呈した「紀州麺」が転化したとか、中国の「棊子麺(きしめん)」(棊子は碁石のこと)をルーツとするなど諸説あり、はっきりとしたことは分かっていません。

イタリアンスパゲティ 名古屋

イタリアンスパゲティ

名古屋のスパゲティと言えば「あんかけスパゲティ」が有名ですが、「イタリアンスパゲティ」という名古屋めし(名古屋周辺を発祥とする食べ物の総称)があるのをご存知でしょうか?
ウインナーや玉ねぎ、ピーマンなどと一绪にトマトケチャップでからめたスパゲティを「ナポリタン」と言いますが、名古屋のイタリアンスパゲティは、この「ナポリタン」がステーキ用の鉄板の上でジュージュー音を立てていて、その鉄板に溶き卵が流し込まれています。昔ながらの喫茶店でよく见かけるメニューで、具は赤いウインナーが定番。粉チーズをたっぷりかけたら、ケチャップ麺をほどよくか固まった卵とからめながらいただきます。
元々は、ある喫茶店のご主人が60年代にイタリア旅行をした际に、お皿のスパゲティがすぐに冷えてしまったのをヒントに编み出したものだとか。名称については、「鉄板スパ」→「板スパ」→「イタリアンスパ」と転じたという説もあるようですが、イタリアンやナポリタンという名前のパスタは、本场イタリアにはないメニューです。

みそ煮込みうどん 名古屋

みそ煮込みうどん

一人前用土锅のふたをあけると、八丁みそがベースのレンガ色をしたおつゆがグツグツたぎっています。ふたにうどんを取り分けて、ふうふう冷ましながら食べるのが名古屋流の食べ方。土锅のふたには、空気穴がないので汁がこぼれる心配もありません。
みそカツ、みそ田楽(みそおでん)など、名古屋にはみそを使った料理が数多くありますが、その代表格が「みそ煮込みうどん」です。すいとんやほうとうと同じく、塩を加えないで、小麦粉と水だけで打った麺は生のまま、かつお节などのだしで煮込み、赤みそベースの味付けをします。生のまま煮込むと、みその塩分で小麦粉がたんぱく変性をおこし、加热することで热凝固をするため、あの独特な歯ざわりが生まれます。これが、うどんをゆでてから煮る「锅焼きうどん」との大きな违いです。また、锅焼きが冬によく食べられるのとは异なり、名古屋では煮込みは一年を通じてよく食べられています。具には、ねぎ、油扬げ、鶏肉、かまぼこ、干ししいたけ、そして月见卵などが定番。汁が残ったらご饭を入れて、おじやにするのもおすすめです。

あんかけスパゲティ 名古屋

あんかけスパゲティ

「あんかけスパゲティ」は、1960年代、ミートソースのスパゲティを名古屋の人たちの好みに合うように改良し、开発されたものだと言われています。
「あんかけ」と言っても、中华风や和风のあんではなく、里ごしした肉や野菜、そしてトマト味がベースの洋风ソースに、片栗粉でとろみをつけたものです。ただし、大量のこしょうを加えた辛いソースであることが多く、クセになる味付けです。スパゲティの麺は、2尘尘を超える极太であることが多く、固めにゆであげ、スープにからめる直前に、ラードなどの油で炒めるので、こってりしています。具は、赤いウインナー、玉ねぎ、ピーマンなどが一般的ですが、豚肉を炒めて卵にからめたもの(ピカタ)や、ベーコンとキャベツのソテーなどメニューは豊富で、そのうえ、ミートボールや目玉焼きなど、自由に选んでトッピングできるのも魅力の一つです。

台湾ラーメン 名古屋

台湾ラーメン

名古屋のラーメン店や中华料理店では、「台湾ラーメン」というメニューをよく见かけます。赤いスープに浮かぶのは、たっぷりのひき肉とにらなどの野菜。一绪に炒めた真っ赤な唐辛子が辛さをプラスします。この辛さと、后からやってくるスープの旨味がやみつきになって、しばらくするとまた食べたくなるのだとか。
名古屋の名物なのに、なぜ台湾ラーメンなのかというと、台湾ラーメンは1970年代に名古屋市の、ある台湾料理店で従业员のまかない用につくられたのが始まりで、これが常连の间に広まっていったのですが、このネーミングは、料理店のご主人が台湾出身だったからだそうです。台湾には、これと同じラーメンはないそうで、正真正铭、名古屋のオリジナルです。
1980年代后半に访れた「激辛ブーム」で脚光を浴びたのをきっかけに、台湾ラーメンを看板に掲げるお店も増えていき、浓い味好きと言われる名古屋の人たちの间で人気が定着していきました。

小仓トースト 名古屋

小仓トースト

名古屋をはじめ、岐阜などの中京地方で名物となっているのが、コーヒーにトースト、ゆで卵がつく喫茶店のモーニングサービス。
そんな中京地方の喫茶店で人気なのが、こんがりと焼いたトーストにバターかマーガリンを塗って、その上にどっさりとつぶあんをのせた「小仓トースト」。サンドしたものは「小倉サンド」とも言います。
小仓トーストは、つぶあんの甘味に加え、バターの塩味がよくきいていて、このバランスが人気の理由です。缶入りのあんこを使えば簡単に作れるので、家庭で食べる方も多いようです。

えびフライ 名古屋

えびフライ

「えびフライ」と言えば、名古屋というイメージがありますが、そのきっかけはタレントのタモリさんのギャグ「エビフリャ~」。タモリさんが名古屋弁をまねたギャグをテレビやラジオで连発し、ちょっとしたブームになったことがありました。名古屋の人はえびフライのことを「エビフリャ~」とは言わないそうですが、名古屋の饮食店の多くがえびフライに注目し、やがてえびフライが名古屋名物の一つになったというのが有力な説のようです。
小麦粉、溶き卵、パン粉の衣でサクッと扬げるえびフライ。名古屋では、タルタルソースやトンカツソースで食べる以外にも、えびフライの丼ぶりやサンドイッチなども人気です。

「ご当地粉料理」は、『小麦粉料理探求事典』(岡田哲 編/東京堂出版)、『日本の味探求事典』(同)などの書籍、官公庁や地域情報などの各種ホームページ、地域住民の方への聞きこみ、弊社資料などによりまとめました。